top of page
①jr-korpa-lBPtkH1Sel4-unsplash.jpg

マダネ プロジェクト 参加者の声  Vol.2 

豊島絵美さん(仮名)

46歳・既婚・教育分野の仕事

マダネ プロジェクト参加回数:3回

参加の動機

 40歳までの約6年、仕事をしながら不妊治療をしていましたが、うまくいかず、里親制度にも関心を持つようになりました。ところが夫と考え方があわなくて、妊活も里親も断念せざるを得なくなりました。「じゃあ、子どもがいない人生ってどんな感じだろう?」と。私はひとつのことに打ち込むと周りが見えなくなりがちなのですが、ネットで検索したり本や記事を読んだり、研修会があれば参加したりと手当たり次第にできることをしていたら、子どもがいない人生を発信している人がいる、そういう人たちの集まりがあると知りました。地方に住んでいるのでオンラインが広まったことも大きかったです。

子どものいない理由

 29歳で結婚して、臨時で働いていた私としてはすぐにでも子どもがほしかったんです。でも夫は違いました。就職氷河期世代だったので30歳という年齢を意識しつつも、ちゃんと就職したかった。両方並行してやりたかったけれど夫の同意を得られず、3年くらい就職試験を頑張り、34歳の時に正規で子どもに関わる仕事に就きました。仕事はとにかく激務でしたね。毎週鍼に行かないと体調管理もままならない中で妊活、そして不妊治療に入りました。しんどかったです。タイミング法から顕微授精までしても初期流産してしまう。不育検査をして治療をはじめても効果が出ない。もう心がもたないなと…。それで40歳で治療を辞めました。治療時から考えていた里親制度を開始するも、子どもの迎え入れ方など、私と夫の間でどうしても考えが折り合わなかった。結局、里親も断念することになりました。

今の気持ち

 実は、2年前に里親のことで夫との話し合いが決裂して、今は離婚に向けて別居しています。マダネ プロジェクトの会などで子どもがいない人の話を聞いたり、ネットなどで記事を読んだりする中で、私のように離婚まで考えている方はあまりいないけれど、どういう気持ちで今に至っているか、今はどういうことをされているかを知って、視野が広がりました。会に参加すると同世代やさらに上の人たち、50、60代の方がいる。私は長女だったこともあって、自分より上の世代の人と日常的につきあうことになかなか目が向きにくかったんです。それまでは過去のことばかり考えていたけれど、子どものいない方の生活をいろいろと知るにつけ、今は少し将来のことが想像つくようになってきました。そういう意味では、安心感というか、現実的になったように思います。

HP1.jpg

沢田透子さん(仮名)

49歳・未婚・美容関連会社勤務

マダネ プロジェクト参加回数:2回

参加の動機

 年齢的にも子どもがいるのが当たり前と思われがちなうえに、電車でも雑誌でもSNSでも、今はどこでも「ママのための○○講座」とか「ママだってきれいになりたい」とか見かけるじゃないですか。でもそういうフレーズを見るたびに「こっちはママじゃないし!」とイラッとしていました。
オンラインサークルに入って仲間と一緒に「きれいになる」目的で、美活をしたこともありましたが、けっこう子どもがいる方が多いんですよね。しかも子どもが小さい30代くらいの方は、子どもに関する悩みや話ばかりになりがち。子育ての大変さもわかるけれど、子どもがいない独身者にとってはその話をしたくてその場にいるわけじゃないですし、私も子どもの話ばかりは嫌だったので結局やめてしまいました。そんなときに、くどうさんの記事をインターネット上で見かけて読んでみたら、「あ、いいかも」、「わかるわかる」と思って。そこでマダネ プロジェクトの会のことを知って、オンライン開催の「つながるオンライン」の受付時間にスマホでスタンバイして即、参加しました。

           

子どものいない理由

 結婚するのが当たり前、結婚して子どもができるのが当たり前。小学校の次は中学校に入学するのと同じくらい自然なことだと昔は思っていたんです。でも周りがちらほら結婚しはじめて、だんだんと「あれ?」みたいな。20代、30代と好きな人はいたのですが、私が結婚したいと思っても相手はしたくない、だから結婚までいかない。 

なんで当たり前のことができないんだろう…、当たり前に結婚できると思っていたのに私は何か足りないのかと思って悩んで。そして、すごく焦りましたね。だから44歳のときに「とりあえずしなきゃ!」みたいな感じで紹介していただいた方と出会って5ヶ月で結婚したんです。はじめのうちは「子どもができるかも」とまだ期待していたんですが、結局1年で別居して、その半年後には離婚していました。離婚後も流行りのマッチングアプリをやってみたり、飲み会と呼ばれるものにはとりあえず行くというようなこともしましたが、相手を見つけるのにまず多少なりとも時間がかかるわけで。そこから不妊治療するにしても 50歳近くになる… そう思うと、もうないよな、と子どもに対する諦めもつくようになりましたね。

今の気持ち

 今年の春先に交通事故に遭ってしまい、外傷性くも膜下出血で 1週間ほど入院していました。いつ何が起こるか本当にわからないなと思うのと同時に、心境も大きく変化したのか、モノに対する興味もなくなってしまって。早いかもしれないけれど終活をはじめています。本当に必要なものってちょっとでいいというか、自分にとっての必要なものってたかがしれていると思うのです。あの世にお金もモノも持っていけるわけじゃないので、できるだけ何も残さずに終わりたいなと。交通事故や年齢のことがあって子どもに対しても吹っ切れましたし、ネガティブにじゃなく身軽にシンプルに生きていきたいなと思っています。

1(サイト用).jpg

荒木依理さん

40代・未婚・医療関係

マダネ プロジェクト参加回数:1回

参加の動機

 私は不妊治療の現場で医療関係の仕事をしていました。そして現在は、自身の専門でもある不妊予防事業として、 企業向けに不妊治療と仕事の両立を支援する福利厚生サービスを提供する会社で働いています。今までの経験や今の仕事柄、子どもを授からなかった方や、子どもをもたない方の今後の人生について、情報収集をしていた時にマダネ プロジェクトを知りました。また、私自身、子どもをもたないという選択をしていますので、同じような考えの方と情報共有やコミュニケーションができればと思い、参加しました。

子どものいない理由

 私は20代から「子どもをもたない」選択をしていました。私のように「もたない」と決めている人は珍しいかもしれません。その選択は、10代の頃、頭部に2度の手術をするほどの大きな病気をしたことがきっかけとなりました。一時はICUに入り、危篤状態に陥りました。その経験から、色んな人の助けによって取り戻すことができたこの命は、人の幸せになるようなことに使いたいと思うようになったのです。
「この人と結婚したい」「子どもが欲しい」「いい服を着たい」といった個人的な楽しみよりは、仕事を通して、スキルアップし、他の人に喜んでもらえた時の方がうれしさや楽しさを感じるようになりました。

今の気持ち

 参加してみて、子どもをもたない背景は本当にさまざまで、それぞれ異なること、また多様な意見を聞くことができました。すごく貴重な場だと感じます。昔は、「絶対に結婚しない」と決めていたのですが、年月とともに絶対ではなく、「結婚してもいいかな」という思いも出てきました。気持ちが変わることもあるなと最近感じますね。頑なにすべてをシャットアウトする必要もないと思うようになりました。
 不妊治療も、保険適用になるなど大きな変化が出てきています。10年程前と比べて治療も一般的になり、まさにその治療を実践した方が、40代後半から50代を迎えていらっしゃいます。その頃とは、女性の生き方そのものが変わってきていると感じ、子どもをもつのが当たり前という考え方だけでなく、社会の「〇〇するべき」「○○であるべき」が、もっともっと和らいで、どんな人にとっても過ごしやすくなれば良いなと思っています。

WEB掲載用.jpg

Kaoriさん(仮名)

51歳・既婚・教育関係

マダネ プロジェクト参加回数:2回

参加の動機

 年齢的なこともあり、子どものいない老後が気になり始めた際、くどうみやこさんの本を手にとったことがきっかけです。それからくどうさんのブログを見るようになりました。そして、先日「子どものいない人生から考える多様性」という、今までに出会ったことのないテーマのイベント(東京都港区のリープラで開催)を知り、また、くどうさんにお会いしてみたいという思いもあり、参加しました。

 マダネ プロジェクトの「つながるオンライン」にも参加しましたが、人気のある「つながるオンライン」はタイミングよく数日前にキャンセルで空きが出たタイミングで申し込みができたため、参加することができました。これもご縁だと思います。その後マダネ プロジェクトのオンラインサロンにも入会しました。

子どものいない理由

 結婚後しばらくは、夫婦で趣味を楽しんでいて、子どもがいる・いらないかは考えていませんでした。夫婦で育ってきた環境も違いますし、むしろ子どもがいる生活は考えられませんでした。しかし、42歳の時、婦人科系に不調があり、婦人科に行ったのです。たまたまそのクリニックが不妊治療に力を入れているクリニックでした。不妊治療で来たと思われたのでしょう。不妊治療を勧められたことではじめて、子どもがいない事実を実感し、不安と焦りを感じました。長い不妊治療の始まりです。妊娠は簡単にできると思っていましたが現実は違いました。

white_masu.jpg

今の気持ち

 世の中、「子どもがいない」ことについての情報が、あまりないように感じます。子どもを持たない夫婦やシングルの人もたくさんいるはずなのに、交流の場もありません。マダネ プロジェクトは同じような立場の方と出会うことができ、意見や情報交換ができるありがたい場所です。私にとってマダネ プロジェクトに出会えたことはある意味救い。もっと大きくなって、行政にも注目してもらえれば嬉しいですね。
 最近は老後について考える時が近づいているのではないかと、民間の任意後
見制度を利用するなどして、財産管理などもしていきたいと思っています。

公式サイトサブ.jpg

古山昌代さん(仮名)

43歳・既婚・会社員(司法書士)

マダネ プロジェクト参加回数:4回

参加の動機

 私が最初に参加したのはコロナより1年前ぐらいでしょうか?確か司法書士の方のお話しが聞ける会だったように記憶しています。きっかけはFacebookで表示される「おすすめのイベント」です。「子どもがいない」というキーワードに惹かれて行ってみようと思いました。その時の私は、まさに不妊治療を続けるか、やめて子ども産むのは諦めるか、迷っている時期でした。

 

 今思い返すとその頃は子どもがほしかったけど、それが叶わない女性はかわいそうという考え方が日本社会で認められていた、受け入れられていたのではないでしょうか。当時は堂々と意思を持って「私は子どもをもちません」といった考えを言いづらかったように思うのですが、だんだん変化してきていますよね。以前よりためらいなく言える空気感はあるように感じます。
 

子どものいない理由

 マダネ プロジェクトのイベントに初参加した時は 39歳、30代最後の年齢でした。40歳を目前に人生を振り返るではないですけど、今、子どもを持つならラストチャンスで揺れていた時期でした。私の場合、夫が重度の男性不妊だったこともあり、おそらく奇跡でも起こらない限り妊娠の可能性は低く、深く悩んでいました。治療専念して子どもを持てる自信はない。そう思ってしまう自分がとても嫌で。なんのために生きているのかとさえ思ってしまう日々でした。


 でもその後、本当に子どもが欲しいのかと考え抜いた結果、子どもはいらないという結論が出たのです。身体、心もすり減らす不妊治療を続ける、しかも多額のお金を使うことはたくないということが分かった。そのことはしばらく誰にも言うことはできませんでしたが...。そこから夫と何度も話し合いました。子どもはいらないこと。これまで続けていた法律に関する勉強をもっとして司法書士になること。それが嫌なら私と離婚してもかまわないこと。その後猛勉強の末、司法書士の資格をとることができました。

今の気持ち

 司法書士として働きはじめたことで、社会とつながり、子どもがいなくても堂々と生きていける自信がついたのはつい最近です。やっと自分も肯定できて、考え方、人付き合いも変わったように思います。そのきっかけはマダネ プロジェクトがくれたとも言えるかもしれません。私は1回目の体外受精で気持ちが萎えてしまったのですが、そんな自分が嫌だとマダネ プロジェクトの会で打ち明けたことがありました。


 そうしたら「いろいろな人がいるし、そもそも体外受精はしないであきらめる方だっているくらいなのだから大丈夫」だと言っていただけた。救われた思いでした。何回もチャレンジしなくてもいい。不妊治療を卒業してもいいのだと。だからこそ、本当の自分の気持ちはどうなのか、本当に本当に子どもが欲しいのかと、自分の気持ちにフォーカスするきっかけがもらえた。子どもがいない人生を決断し、仕事を得て、やっと今の自分を自分で認められるようになれました。そんな気がしています。

white_masu.jpg
bottom of page